沖縄県・GI琉球特集◆福岡開催「GI本格焼酎・泡盛オンラインシンポジウム」取材レポート編

沖縄県首里城・球磨・薩摩・琉球GI(地理的表示)本格焼酎・泡盛オンラインシンポジウム焼酎スタイリストyukikoさん取材・東京から情報発信マガジン「焼酎&泡盛スタイル」

福岡県で開催された「GI(地理的表示)本格焼酎・泡盛オンラインシンポジウム from九州・沖縄」で語られた内容を地域別に紹介します。今回は沖縄県「GI琉球」の特集です。國酒の魅力を分かりやすく届けてくれる焼酎スタイリストyukikoさんが現地取材を担当!今回パネラーを務めた方々から直接ウェブマガジン「焼酎&泡盛スタイル」読者の皆さんに向けたメッセージもいただいています。琉球泡盛編、ぜひご覧下さい!

 4つのGIを地域別に紹介!—琉球編

壱岐・球磨・薩摩・琉球GI(地理的表示)本格焼酎・泡盛オンラインシンポジウム焼酎スタイリストyukikoさん取材・東京から情報発信マガジン「焼酎&泡盛スタイル」

ここでは「GI(地理的表示)本格焼酎・泡盛オンラインシンポジウム from九州・沖縄」の第二部と第三部で語られた内容を地域別に紹介します。パネラーによる説明とカクテルレシピを監修した南雲主于三さんのおすすめポイント、会場で試飲した焼酎スタイリストyukikoさんの感想もそれぞれ載せています。読者の皆さんもお酒選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。

琉球(沖縄県)

約600年の歴史があり、日本最古の蒸留酒と言われるのが泡盛です。沖縄県には9つの島に47の蔵があり、沖縄で生産されている泡盛は必ず「琉球泡盛」と呼ばれます。黒麹菌の生育によって米のでんぷんがブドウ糖へ変化し、クエン酸が生成されます。温暖多湿の沖縄の気候下での酒造りに昔から使われていた麹菌です。

また、沖縄県内の水は硬水でミネラル分が多いため、微生物の働きが促進され、重厚な香りが造られます。昨年の9月までの規定ではアルコール度数45未満のものしか泡盛と言えませんでしたが、現在は45度以上でも泡盛と言えるようになりました。

【GI琉球 原料】
麹 …黒麹菌を用いた米麹のみ
水…沖縄県内で採取したもの

【試飲酒・おつまみ】  泡盛「海乃邦 10年貯槽古酒」ストレート × 珊瑚黒糖
(パネラー長嶺さん)今回はアルコール度数43度の10年古酒を用意しました。沖縄では「長く寝たお酒ほど起きるのが遅い」と言われます。古酒ほど飲むまでに時間をおいたほうが良いので今回は30分置きました。日本酒のようにクイっと顎で飲むのではなく、舐めるように少量を舌先で広げて鼻に抜ける香り、喉に落ちるまろやかさを楽しみながら飲むのがコツです。アルコール度数を強く感じる方は少し水を足してみて下さい。ただし氷を入れると古酒の良さである“開いた時の甘さやまろやかさ”が感じられにくくなるので水のみ足すことをおすすめします。

【カクテル】  Banana Land / 泡盛「尚」使用
(南雲さん)バナナリキュールと牛乳を使ったカクテルを紹介しました。シェイクをして、すぐにできる簡単カクテルです。甘みが余韻として残る泡盛を選びました。

yukikoさんの試飲コメント・琉球

泡盛特有の香味由来となる「バニリン」という成分によってバニラのような甘い香りが楽しめるのも、泡盛ならではの楽しみ方だと思います。試しに30分置かずにストレートで飲んだところ「アルコール度数が強いお酒」というシャープな印象が強く届いてきました……。美味しさが異なるので、古酒ほど“開かせる”時間は大事ですね。珊瑚黒糖と一緒に飲むとチョコレートのような甘みと濃厚さを感じる「美味しい1杯」になりました。
カクテルはバナナと泡盛の相性が良く美味しくいただきました。おつまみとして出されていた珊瑚黒糖も合いそうだったので、細かく砕いて振りかけてトッピングをして楽しみました。

沖縄県火災後の首里城・球磨・薩摩・琉球GI(地理的表示)本格焼酎・泡盛オンラインシンポジウム焼酎スタイリストyukikoさん取材・東京から情報発信マガジン「焼酎&泡盛スタイル」火災後の首里城。2026年を目指し復興までの道のりは続く

パネラーの皆さんから 「焼酎&泡盛スタイル」読者の皆さんへ

壱岐焼酎・球磨焼酎・薩摩焼酎・琉球泡盛 GI(地理的表示)本格焼酎・泡盛オンラインシンポジウム焼酎スタイリストyukikoさん取材・東京から情報発信マガジン「焼酎&泡盛スタイル」

「焼酎&泡盛スタイル」読者の皆さんに向けて、パネラーの皆さんからメッセージをいただきました。あわせて地域のロゴマークも紹介します。本格焼酎と泡盛における世界で認定された”ブランド”を探す商品選びの目印になりますよ!

シンポジウムに参加できなかった方もこちらのメッセージを参考に、本格焼酎・泡盛を楽しんでみて下さいね。

GI琉球・長嶺哲成さん(下段右から2番目)

GI琉球・琉球泡盛・焼酎スタイリストyukikoさん取材!本格焼酎・泡盛イベントレポート 東京発ウェブマガジン「焼酎&泡盛スタイル」特集まだまだGI自体も知られていないので、そのPRもしっかり行っていきたいですね。泡盛は沖縄県の全ての酒メーカーが沖縄県産をPRするため「琉球泡盛」と表記をしています。もともとアメリカの統治下を経て、沖縄県ならではの数少ない製造業を大切にしようという思いもあり、昔から「本場泡盛」と表記するメーカーは多くありました。

2004年(平成16年)国税庁の「地理的表示に関する表示基準」「地理的表示に関する表示基準第2項に規定する国税庁長官が指定するぶどう酒、蒸留酒又は清酒の産地を定める件」という2つの基準が公示されたことによって「琉球泡盛」と表示するようになりました。泡盛自体は他の地域でも造れるお酒であるため、沖縄県産を見つける時には「琉球泡盛」と表示されているかを目印にして下さい。

他の3つのGIとの大きな違いは、泡盛は寝かせて「古酒」(クース)として楽しむ文化を持ったお酒であるということです。これは壱岐・球磨・薩摩にはない個性なのでこれから泡盛を飲む方にも着目してほしい部分です。戦争によって途絶えてしまいましたが、琉球王朝時代には100~200年の古酒もあったそうです。今でも「古酒を育てる」という思考や文化は沖縄で引き継がれています。

それも踏まえて「焼酎&泡盛スタイル」読者の皆さんにお伝えしたいのが、泡盛の楽しみ方は大きく分けて2つあるということです。貯蔵3年未満の若い泡盛は、もともと食中酒として設計されていることが多いのでアルコール度数25度や30度です。水割りやお湯割りにして加水することでアルコール度数を10~15度に抑えて沖縄では飲まれています。泡盛は高級脂肪酸が含まれているため加水しても水っぽくなりません。コクや香りもしっかり楽しむことが出来ます。米を原料にしたお酒なので水割りやお湯割りは料理と合わせやすいんですよ。

一方、10年や20年といった古酒はメイプルシロップやバニラのような甘い香りを楽しんでいただきたいお酒です。今回シンポジウムで提案したように、割らずにゆっくり開かせて時間をかけて味わってみて下さい。沖縄県には古酒がたくさんあるので、ぜひ沖縄にいらした時に古酒の良さをたっぷりと味わっていただきたいですね。

他の3地域もご覧いただける全編はこちらから

壱岐・球磨・薩摩・琉球GI(地理的表示)本格焼酎・泡盛オンラインシンポジウムカクテル・東京から情報発信マガジン「焼酎&泡盛スタイル」

[記事企画・取材・撮影・文]yukiko/焼酎スタイリスト・泡盛スタイリスト・販促アドバイザー
[協力]壱岐酒造協同組合、球磨焼酎酒造組合、鹿児島県酒造組合、沖縄県酒造組合、色彩総合プロデュース「スタイル プロモーション」
[編集]「焼酎&泡盛スタイル」編集部

※写真の無断転用、二次使用はお断り致しております。ご理解ご協力のほど宜しくお願い致します。

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【福岡/GI(地理的表示)本格焼酎・泡盛オンラインシンポジウム from九州・沖縄】

◎日時 2021年3月20日(土) 14:00~16:30(オンライン)
◎主催 福岡国税局、熊本国税局、沖縄国税局事務所

 

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