【女性に人気の本格焼酎に迫る】藤居醸造・麦焼酎「泰明」シリーズの魅力、ここにあり!

東京の女性イベントで「どこで買えますか?」「ほしい!」と女性ファンが急増する焼酎があります。本格焼酎に馴染みのない女性も惹きつける魅力とは?――「今」という時代を表す注目の焼酎蔵、今回は大分県 藤居醸造です。麦焼酎「泰明」シリーズに迫ります!豊後大野市の小さなまちで造られる藤居醸造の麦焼酎は、女性ファッション誌や「焼酎&泡盛スタイル」読者がおすすめする銘柄一覧にも複数推薦されています。

まだまだ可能性を秘めた焼酎ブランドの魅力を「焼酎&泡盛スタイル」読者の皆さんにお伝えすべく、焼酎スタイリストyukikoさんが大分県の現場に向かって直接取材!大分むぎ焼酎・藤居醸造「泰明」シリーズをまだご存知ではない方も、これを機会に現代女性の心を掴む”ブランド”の魅力をたっぷりとご堪能下さい!

藤居醸造合資会社
1929年(昭和4年)創業。代表銘柄「特蒸泰明」「泰明」「泰明 ここから」大分県豊後大野市にある酒造蔵。人口2,000人ほどの千歳町に蔵を構え、大分県内では数少ない完全手造りで麦焼酎を製造。製麹工程では昔ながらの「むろ蓋」を使い、蒸麦に昔ながらの「木桶」を、蒸留には独自改良を施した自家製蒸留機を使い、藤居醸造でしか醸せない大分むぎ焼酎の芳醇な風味を造り出している。

大分県豊後大野市千歳町新殿150-1
TEL:0974-37-2016
HP : http://www.taimei-fujii.co.jp/
[アクセス]JR豊肥本線 犬飼駅から車で15分

大分むぎ焼酎「泰明」ブランドが現代女性に響く、その理由に迫る

「特蒸泰明」(とくじょう たいめい)という銘柄をご存知ですか?大分県南部の豊後大野市にある創業1929年(昭和4年)の小さな焼酎蔵・藤居醸造合資会社で造られている麦焼酎です。

今では、大分県といえば“麦焼酎”のイメージが定着していますが、江戸時代までは清酒の地であり、焼酎といえば「粕取焼酎」(かすとり しょうちゅう)が造られていました。「粕取焼酎」とは、清酒粕を発酵させたものに籾がらを混ぜてセイロで蒸し、アルコール成分を抽出したものです。

明治時代に製造技術の発達によって白糠や穀物を原料にした焼酎が造られるようになり、1951年(昭和26年)、麦の統制撤廃とともに本格的な麦麹の開発が始まります。焼酎は麦焼酎なら、水、麹、原料にあたる麦からできる天然素材のお酒です。それまでの麹は米麹が主流でしたが、この頃を境に麦麹が用いられることになります。麦100%で造られる”大分むぎ焼酎”が誕生したのです。

(写真左から)常圧蒸留「特蒸泰明」、常圧と減圧蒸留のブレンド「泰明」。

 

藤居醸造の本格焼酎の特徴のひとつが、“麦の芳醇な香り”です。代表銘柄「特蒸泰明」は、麦の香りやまろやかな口当たり、飲みごたえを追求した常圧蒸留という製造方法で造られた麦焼酎です。「特蒸泰明」は炭火焼き、焼き鳥、タレや出汁がしみ込んだ料理にもおすすめの1本。

一方、「泰明」は、常圧蒸留で造られた「特蒸泰明」と減圧蒸留で造られる原酒をブレンドし、「特蒸泰明」よりもすっきりとした麦焼酎に仕上げている銘柄です。「泰明」はお酒を召し上がる1杯目として、刺身、カルパッチョ、サラダなどと合います。

東京をはじめとする首都圏でも、こだわりのお店には藤居醸造の麦焼酎「特蒸泰明」または「泰明」が置いてあることも。2つの銘柄の違いは、蒸留方法の違いによる口あたりや香りの立ち方です。蔵元もその点にとてもこだわって表現しています。

女性イベントでも人気の「泰明」シリーズは、どのようにして造られているのでしょうか。製造過程でどのような工夫がされているのでしょうか。普段、私たちエンドユーザーがなかなか知ることのできない現場を、藤居醸造 代表の藤居淳一郎さん(トップ写真 中央)に案内していただきました。

麦がもつ芳醇な美味しさを届けたい……小さな蔵が貫く、独自の製法

藤居醸造の代表銘柄「特蒸泰明」は、麦焼酎が醸す、”麦の香りが豊かに届く美味しさ”を表現しようとしています。

まずは、精麦した麦を洗って適度な水分を含ませるために浸漬させてから蒸します。浸漬時間は水温や麦の状態に合わせて微妙に変えています。上の写真は蒸し上げた麦を引き上げているところです。

ここから、麦麹を造る工程へ進みます。


“大分むぎ焼酎”の特徴は米麹ではなく麦麹を使用しています。蒸した麦を適温に冷まして種付けを行います。

室(むろ)では、ちょうど麦麹造りが行われていました。室温29度、湿度83%の空間。取材時、室で管理されていた麹の温度は約40度あり、ゆっくりと麹菌を繁殖させて麦麹が出来上がっていきます。

その後は、少量ずつ"蓋"(ふた)に盛っていきます。

 

こちらでは、一次仕込みと二次仕込みが行われています。左のステンレスタンクは一次仕込み用。麹、水、酵母を合わせ、6日間かけて“醪”(もろみ)を造ります。


右のタンクを使用する二次仕込みでは、一次仕込みでできた醪に水と蒸麦を合わせて約2週間かけて発酵させます。タンクの周りに籾殻が敷き詰められており、籾殻の効果で温度管理しやすくしています。

鹿児島の芋焼酎には土に埋めた甕を用いる「甕仕込み」という製法がありますが、それと同じ原理です。この方法は大分県内でも珍しく、藤居醸造では昔からこの方法をとっています。「泰明」ブランドの特徴である、まろやかな味わいを生むポイントになっているそう。

 

そのあとは、蒸留の工程へ。

藤居醸造では「特蒸泰明」の芳醇な香りを立たせるために、オリジナルの常圧蒸留機を使用しています。原料やもろみが持つ香味成分や蒸留の加熱によって生まれる香味成分が、「特蒸泰明」の香りや旨みとして飲み手に届く大事な工程です。

7年くらい前から“わたり”と呼ばれる管の部分に銅管を使用し、管を右下がりに設置しています。熱効率も良く、柔らかい口当たりの麦焼酎を造ることができるのです。


こちらは、蛇管。常圧蒸留機から螺旋状の管の中を焼酎が通って、下っている間に周りの水で冷却しているしくみです。普段、蒸留機の中を見る機会はほとんどありませんが、藤居醸造の常圧蒸留の過程では構造が見えるようになっています。

 

冷却機の中も覗かせてもらいました。常圧蒸留の焼酎には油分が含まれていて「油臭」と呼ばれる異臭の原因になることも。そこで、焼酎を一度冷却し、このフーゼル油を凝固させてからすくい取っています。麦焼酎や米焼酎など、穀物を使用した焼酎は芋焼酎よりも油分が多いため、このように冷却された油が白くなって表面に浮いてる量が多いんです。

ただ、この油分は焼酎の旨みとなる部分でもあるので、どこまでフーゼル油をすくい取るかで味わいが変わります。

例えば、キンキンに冷やして油をすくうこともできますが、すくい過ぎてしまうことで飲んだ時にさらっとしすぎてしまったり、旨みが足りなかったり……。この加減は、永年の経験によるものです。

 

次に見せてもらったのが、麦焼酎「泰明」を製造するために使用される減圧蒸留機。減圧蒸留は気圧を下げて低い温度で蒸留する製法のため、すっきりした焼酎に仕上がります。先程紹介した常圧蒸留と減圧蒸留では、使用する機械や構造が違うのです。

麦焼酎「泰明」は、減圧蒸留と常圧蒸留それぞれでできた焼酎を一定の割合でブレンドしています。

蒸留を経た焼酎は、その後、一定期間タンクや甕で貯蔵されます。熟成させることにより味わいがまろやかになります。熟成期間を終えた焼酎は、アルコール度数を調整するため加水をして出荷されます。

藤居醸造の麦焼酎「特蒸泰明」「泰明」は、このようにして皆さんの手元に届いているのです。

ファッション誌でも高評価!飲み手想いの焼酎蔵が届けるオシャレな「泰明」シリーズ


大分県の小さなまちで、1本1本丁寧に造られている麦焼酎「特蒸泰明」「泰明」。この2銘柄は和紙に銘柄が印字されたオーソドックスなデザインですが、「泰明」シリーズには蔵元の現代的なセンスが表れてるラインナップがあります。

それが「ふんわり涼やか 特蒸泰明」と「ほんのりお湯割り 特蒸泰明」です。

(左から)「泰明」シリーズの夏季限定焼酎「ふんわり涼やか 特蒸泰明」、冬季限定焼酎「ほんのりお湯割り 特蒸泰明」

 

「ふんわり涼やか 特蒸泰明」は、4~9月出荷の期間限定品。金魚のデザインが目を惹く夏焼酎です。通常、本格焼酎のアルコール度数は25度ですが、さらりと飲めるように、常圧蒸留で造られた「特蒸泰明」にあらかじめ加水して19度にアルコール度数を下げたもの。

しかも「特蒸泰明」の原酒タンクの中間層、“中取り”と呼ばれる層の特に上質な部分だけを抽出して造られている手の込んだ麦焼酎なんです。おすすめの飲み方は、ロックや水割り。炭酸割りが好きな方にもおすすめの銘柄です。

「ほんのりお湯割り 特蒸泰明」は、同じく「特蒸泰明」の中取り部分を使用し、半年間タンクで熟成させたもの。麦焼酎の豊かな香りと味わい、適度なキレをお湯割りで楽しんでもらうため、焼酎6:お湯4の割合で一番バランスがいいアルコール度数22度にもこだわったそう。

焼酎初心者の方やお湯割りに馴染みのない方も安心して楽しんでもらえるよう、蔵元から飲み方の提案が親切にされている銘柄です。ラベルデザインも秀逸で、蔵のある豊後大野市の祭りを表現しています。

色やデザインは、造り手の生き方や考え方が現れるものです。

藤居醸造の強みともいえる特徴は、ラベルデザインからもきちんと“飲み手への愛情”が伝わってくること。

それを立証すべく、私は焼酎スタイリストとして東京で開催された女性限定イベントに紹介をしたところ、たちまち「単純に“かわいい”というだけではなくて、蔵元の優しい想いが伝わってくる」と絶賛!ファッション誌の焼酎特集でも紹介もしましたが、映えも抜群のため大きな商品カットとして誌面に採り上げられました。

ラベルデザインに強い色を使うことなく、飲み手にそっと寄り添うような、さりげない優しい距離感。”飲み手”を想う、その絶妙なバランス感がラベルや味わいからきちんと表現されています。だからこそ、藤居醸造の焼酎は現代社会で生きる女性にもきちんと響くのです。

飲み手の“未来”に寄り添った焼酎を……蔵元の想いを未来へ醸す「泰明 ここから」

(写真)2016年の刻印が入った麦焼酎 原酒「泰明 ここから」。女性イベントでも人気の理由は明確

 

“大分むぎ焼酎”の王道と言える伝統的な良さが引き立つ「特蒸泰明」「泰明」。

現代的な要素が盛り込まれ、“時流”に沿っている期間限定品「ふんわり涼やか 特蒸泰明」「ほんのりお湯割り 特蒸泰明」。

藤居醸造による“飲み手への思いやり“が形となっている焼酎が、もう1つあります。飲み手の未来をともに慶び、分かち合いたいという造り手の想いが詰まった本格焼酎です。

それが……麦焼酎「泰明 ここから」。

香りの豊かさと味わいにこだわった常圧蒸留「特蒸泰明」の中でも、その年に一番良い材料を用い、通常の倍の時間をかけて仕込んだ42度の原酒です。製造年の刻印入り「泰明 ここから」は、10年、20年先まで長期保存ができるように特別仕様で作られた品の良いブラックボトルが目印です。

パルプ紙製の化粧箱も桐箱とは異なった親しみやすさがあり、かしこまり過ぎず、さりげない距離感を感じます。そんな優しさを感じる「泰明 ここから」は、結婚式、出産祝いなど、大切な人たちのライフスタイルの節目となる時に贈りたくなる麦焼酎です。

ご夫婦の銀婚式、金婚式に一緒にお酒を楽しむことも。お子さんが成人を迎えたときに乾杯できる慶びを。“飲み手”の未来をともに祝う存在でありたい……造り手の想いがボトルに詰まっています。

(写真)蔵に併設された販売所。地元の方もふらりと訪れ、焼酎を買っていく

 

今回、蔵に伺った時に、発売初期にあたる2年前の年号が刻まれた「泰明 ここから」を飲ませていただきました。口に運んだとたんに「たった2年でこんなにトロッとするの?!」と感じるほど。角がなく、キメの細かい上質なチョコレートを食べた時のようなしっとり感。まろやかさが口いっぱいに広がり、とにかく美味しい!

これが10年後、20年後と飲み手の成長や成熟とともに月日を重ねていったら、実際にどのような味わいになるのか想像せずにはいられませんでした。

大分むぎ焼酎「泰明 ここから」は、蔵元が皆さんの“未来”に寄り添いたいと願い造られた麦焼酎です。造り手と飲み手をつなぐ「泰明 ここから」には、お酒という嗜好品のあり方、新たな存在価値を表現するような提案がされています。

 

藤居醸造の「泰明シリーズ」は、王道の銘柄も、限定品の銘柄も、未来に想いを託した銘柄も……どれも“人に教えたくなる焼酎”です。大事な人たちにプレゼントしたくなる要素がたくさん詰まっています。

今、ここから未来に向かって始まる――飲み手との関係を描きながら伝統文化産業「焼酎」を表現し続ける藤居醸造。大分県の小さなまちから生まれた「泰明」シリーズは、朗らかな蔵元の個性と飲み手への愛情がたっぷり届いてくる本格焼酎なのです。

[取材・撮影・文・構成] yukiko(ユキコ / 焼酎スタイリスト、ファッションスタイリスト)
[写真協力]藤居醸造合資会社、色彩総合プロデュース「スタイル プロモーション」
※写真の無断転用、二次使用はお断り致しております。ご理解ご協力のほど宜しくお願い致します。

 

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