「焼酎&泡盛スタイル」プロフェッショナルサポーター「一心鮨光洋」大将・木宮さんが語る、地域文化のおもしろさ
【profile】 木宮 一洋 / Kimiya Kazuhiro
グルメクチコミサイト宮崎県ランキング6年連続総合1位の名店「一心鮨光洋」大将。一心に想いを込めることを天命とする「一心天命」を理念に掲げ、最高の素材と洗練された料理で至福の時を届ける。
「焼酎&泡盛スタイル-shochu&awamori STYLE-」は東京⇔地域をつなぐWebマガジンとして情報発信しています。今回は焼酎スタイリストyukikoが、ともにこのWebマガジンで地域情報を発信をしてくれるプロフェッショナルサポーター「一心鮨光洋」大将・木宮一洋さんにお話を伺いました。グルメクチコミサイト宮崎県ランキング6年連続総合1位の名店大将が語る、焼酎や泡盛が目指す方向性とは?
「焼酎&泡盛スタイル」プロフェッショナルサポーター木宮さんが語る、地域文化のおもしろさ
―まずは、木宮さんが考える宮崎県の焼酎の特徴を教えて下さい。
本格焼酎のアルコール度数は他県だと25度なのですが、宮崎県内ではもともと20度で普及している焼酎文化なんです。冬はお湯割り、夏は水割りやロックを楽しむ文化圏でもあります。ただ、飲み手の好みもあると思うので、うちのお店でも飲み方にこだわりはありません。むしろ、焼酎がお客さまにとって身近なものであってほしいと思って提供しています。
―では、宮崎の飲食店として、「焼酎」のどのような点にこだわりますか?
宮崎県独自の焼酎文化である、アルコール度数“20度”にこだわりたいですね。隣接している鹿児島県は25度の焼酎を「前割り」(事前に焼酎を水で割って馴染ませておく飲み方)して、ゆっくりじっくり飲む文化があります。
ところが、宮崎県には「前割り」という文化がほとんどないんですね。負担なくゆっくり飲めるよう、あらかじめ20度でつくられています。そのため、まずはストレートかロックで宮崎県の本格焼酎の味わいそのものを感じてみてほしいですね。
―アルコール度数20度は、確かに宮崎県独自の文化ですよね。
自分が生まれ育った宮崎県の焼酎文化も大事にしたいのと同時に、鹿児島文化の「前割り」した焼酎もとても美味しいと思っています。焼酎は、ロックで飲んだり、水やお湯で割ったり、飲み手が自由に楽しめるお酒ですしね。宮崎の焼酎を「前割り」をして燗付けを試したり、私自身も“美味しいポイント”を探すのがちょっとした流行りだったりします。
―興味深いのは、宮崎県の銘柄は東京だとアルコール度数が25度の商品として流通しているんですよね。宮崎県内だと20度で、県外だと25度。そのため20度の宮崎県の本格焼酎を飲みたくても、なかなか東京だと出会えません(笑)。
今はインターネットが普及していることもあって、以前よりも手に入りやすい環境かもしれませんが、ぜひとも宮崎県に来ていただいて、旬の食材と20度の焼酎を現地で体感してほしいですね。これが食の醍醐味であり、旅の醍醐味。食のシーンに“地域性”を感じることができます。
―ちなみに、「一心鮨光洋」で飲める焼酎は何ですか?
主にあるのは宮崎県の芋焼酎5銘柄です。「㐂六」(きろく/黒木本店)、「月の中」(岩倉酒造)、「金の露」(川越酒造場)、「萬年」(渡邊酒造場)、「日向娘」(ひなむすめ/宮田本店)。鮨 や魚を中心とした料理に合わせて、長く飲める銘柄を選んでいます。
飲食店のプロフェッショナルが薦める、“飲み手”が焼酎を楽しむポイント
―「焼酎&泡盛スタイル」読者の皆さんに向けて、木宮さんがおすすめする「焼酎を楽しみかた」を教えていただけますか?
焼酎は、温度帯の変化を楽しんでほしいですね。お湯割りも、例えば60度から70度にかけて香りの立ち方や味わいが変わります。難しく考えることはなくて、「この1杯を美味しく飲みたい」という気持ちで色々と試していれば、自分好みの“美味しいポイント”が見つかりますよ。
―Webマガジン「焼酎&泡盛スタイル」では、日本のお酒を“ブーム”ではなく「文化」として浸透させたいという想いのもと、東京から情報発信しています。「文化」として定着させるためには、どのようなことが必要だと思いますか?
私も含め、飲み手が「飲み続けること」が大事だと思っています。メジャーな銘柄はもちろん、家族経営の蔵の銘柄や取り組みに注目して飲むことで、皆さんが“造り手”を守り続けることにつながります。その行為こそが、一時の“ブーム”ではなく「文化」として浸透、定着していくポイントなのではないでしょうか。
―まさに、私が焼酎スタイリストとして活動当初から意識していることに通じます。「生産者(蔵元)―販売店・飲食店―メディア―エンドユーザー」が波紋のように広がり、繋がるコミュニケーションが文化構築の理想だと考え、今まで活動してきました。「焼酎&泡盛スタイル-shochu&awamori STYLE-」でもその方針は変わりません。
そうですね、このWebマガジンの特徴である東京と地域がつながることで、色々と発信できる幅も広がってくると思います。私は宮崎県の飲食店として、yukikoさんは東京で活動する焼酎スタイリスト(メディア)として、ともに「文化」になり得る情報を共同発信していきましょう!
―木宮さん、ありがとうございました!
一心鮨光洋
〒880-0874 宮崎県宮崎市昭和町21
http://isshinzushi.com/index.html
[取材・文・構成] yukiko(ユキコ / 焼酎スタイリスト、ファッションスタイリスト)
[協力] 色彩総合プロデュース「スタイル プロモーション」
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焼酎スタイリスト®、ファッションスタイリスト。色彩総合プロデュース「スタイルプロモーション」代表。株式会社永谷園を経て“色が強み”のファッションスタイリストに転身。全国の蔵元らと連携して「焼酎スタイリスト®」として日本のお酒「國酒」を“流行×オシャレ”に発信。トレンドや美容情報に精通し、ファッション誌やビューティー誌にも登場。”時流”を掴んだお酒のコメントやアドバイスには定評がある。
蔵元や酒販店・飲食店からの信頼も厚く「蔵元公認 焼酎アンバサダー」「焼酎ナビゲーター」「泡盛スタイリスト®」「日本酒スタリスト®」なども務め、全国で講演やイベントプロデュース・企業研修を行う。大学の非常勤講師として教育分野でも活躍。(専門:販促色彩・ビジュアルプロモーション・ブランド構築・伝統文化産業)