本格焼酎&泡盛を世界に向けて◆焼酎スタイリストが解説「FOODEX JAPAN」取材2024
東京発信の「焼酎&泡盛スタイル」では焼酎&泡盛業界の”今”の特徴をお伝えします。今回は東京ビッグサイトで開催された「FOODEX JAPAN」から見える、日本の伝統酒「本格焼酎・泡盛」の業界ポイントを紹介します。毎年「FOODEX JAPAN」を取材している焼酎スタイリストyukikoさんが昨年度との違いや注目ポイントも解説してくれています。ぜひ皆さんも参考に、本格焼酎と泡盛をお楽しみください。
「FOODEX JAPAN」昨年との違いは?
焼酎スタイリストyukikoです。3月に東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で行われた第49回 国際食品・飲料展「FOODEX JAPAN2024」(以下、FOODEX)が開催されました。世界68か国の地域から2,879社、国内1,073社・海外1,806社の参加により、食品と飲料の最新情報が東京に集まりました。(昨年の様子はこちらから)
この出展数が示すように国内メーカーよりも海外メーカーが多く参加するFOODEX、日本市場とあわせて世界市場における日本の立ち位置も各業界の今と未来がわかる展示会になっています。
本格焼酎と泡盛、今年の出展数
「本格焼酎と泡盛」のブースでは、今年は23都道府県から、約100社、243銘柄が会場に並びました。麦焼酎69銘柄、芋焼酎71銘柄、米焼酎49銘柄、黒糖焼酎13銘柄、酒粕焼酎14銘柄、そば焼酎5銘柄、それ以外の原材料で造られた焼酎6銘柄、泡盛16銘柄です。
今回のFOODEXでの特徴は、「本格焼酎と泡盛」ブースは今まで日本出展エリアに設置されていたところから、海外エリアで出展していたことです。そのため、ブースを覗いていく来場客は海外のバイヤーや企業関係者が多かったことが、昨年までとの大きな違いでしょう。
それだけ「日本の國酒を海外へアピールする」「海外市場にどれだけ響くのか」をモニタリングできる環境になっていました。
韓国から来られた来場者は泡盛(写真)を試飲して「日本の泡盛を初めて飲んだ。熟成されている感じが韓国のソジュ(焼酎)とは違う味わいがあっておいしい。沖縄に行ったら、このお酒(泡盛)がもっと飲めるんですか?沖縄に行ってみたくなりますね」と韓国の国民酒との違いに興味を持った様子でした。私も韓国語で沖縄や泡盛について説明をしながら、インタビューしました。韓国のソジュやマッコリについては、実際に韓国滞在時に色々とリサーチをしていたので、それも含めて違いや特徴を説明しながら、韓国から来られている皆さんと情報交換をしました。
また、麦焼酎・米焼酎・芋焼酎・奄美黒糖焼酎を試飲したという中国のバイヤーは「日本の焼酎がこれほど種類があることに驚いた。それぞれの個性があり、地域性が出ていておもしろい」と、麦・米・さつまいも・黒糖など原料の違いから出る味わいの個性に興味があったようです。
他にもアメリカ、カナダ、ブラジル、シンガポールなどの来場者もブースに立ち寄って試飲をしていましたが、同じアジア圏である韓国、中国の来場者が足を止めて積極的に試飲をしたり、蔵元に聞いたりしている様子が目立っていました。「アジア」という近しい距離のある国の方々に、日本の伝統酒を口にする「ハードルの低さ」として見られたのが今年の特徴といえるでしょう。
焼酎スタイリストおすすめ!おうち飲みにも最適な「おつまみごはん」紹介
今回はアジア圏の来場者の興味が高かったため、韓国フードの紹介です。日本にもファンの多い、韓国おでん「オムク」は本格焼酎と泡盛にもぴったりです。私も自宅で常備しているアイテム。今回のFOODEXでも試食コーナーが設けられていて、多くの方が立ち寄っていました。
オムクは韓国を代表するB級グルメで、魚のすり身を使って作られた薄いさつま揚げのようなものです。写真のように長い串に刺してあり気軽に食べられているものです。水産業がさかんな釜山のオムクが有名です。日本でも韓国フード店や大手スーパーでも買えるようになってきたアイテムです。
今回は、オムクを韓国で製造販売しているSONO F&B の社長キムさんとマネージャーのパクさんにお話を伺いました。「日本の焼酎も好き」と語るお二人です。キムさんは「オムクは魚のすり身を使用しているため、写真のようにおでんの具にすると出汁が出ておいしいんです。日本の皆さんも好きな味だと思います」と話すように、韓国ではトッポギにも入っていたり、定食の副菜として出てきたりと汎用性の高いものです。私の場合は、鍋物や煮物に加えています。出汁が出るので塩分を控えめにでき、とても便利なのです。
オムクは様々なメーカーが出していますが、選び方のポイントがあるそう。パクさんいわく「安いオムクは小麦粉がたくさん使用されています。そういうものはおでんなどにした時、時間がたつと汁を吸って表面がふやけてくるんです。でも、魚のすり身をふんだんに使っているオムクは時間が経ってもそのようにならないんです」とのこと。もちろん、味も魚のすり身のしっかりとした味が感じられますし、栄養価も高いものになります。しかも、冷凍になっているので長期保存が可能で、使いたい分だけ使用できます。
おでんに入れるさつま揚げと同じような使い方をすれば良いので、ご興味のある方は本格焼酎や泡盛と一緒に楽しんでみてくださいね。
[取材・撮影・文]yukiko/焼酎スタイリスト・泡盛スタイリスト・地域伝統文化産業コーチ
[協力]色彩総合プロデュース「スタイル プロモーション」
[編集]「焼酎&泡盛スタイル」編集部
[参考]大潟村ホームページ 、JA大潟村ホームページ
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【 FOODEX JAPAN 2024】
◎日時 2024年3月5日(火)~8(金)東京ビッグサイト
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焼酎スタイリスト®、ファッションスタイリスト。色彩総合プロデュース「スタイルプロモーション」代表。株式会社永谷園を経て“色が強み”のファッションスタイリストに転身。全国の蔵元らと連携して「焼酎スタイリスト®」として日本のお酒「國酒」を“流行×オシャレ”に発信。トレンドや美容情報に精通し、ファッション誌やビューティー誌にも登場。”時流”を掴んだお酒のコメントやアドバイスには定評がある。
蔵元や酒販店・飲食店からの信頼も厚く「蔵元公認 焼酎アンバサダー」「焼酎ナビゲーター」「泡盛スタイリスト®」「日本酒スタリスト®」なども務め、全国で講演やイベントプロデュース・企業研修を行う。大学の非常勤講師として教育分野でも活躍。(専門:販促色彩・ビジュアルプロモーション・ブランド構築・伝統文化産業)