鹿児島県の伝統工芸品「薩摩切子」で本格焼酎を堪能―「色と食の旅プロジェクト」〜島津紫の煌めき〜

「色と食の旅プロジェクト」イベントセミナー第4弾は<島津紫の煌めき>と題し、鹿児島県の伝統工芸品「薩摩切子」で本格芋焼酎を堪能しました。イベントには40点以上の薩摩切子が並び、「鹿児島県でもここまで出揃う焼酎イベントは見たことがない!」と取材に来られていたメディア担当者が語るほど、贅沢な時間になりました。

宝石のように美しく実用的な酒器—薩摩切子

薩摩切子とは、幕末に鹿児島県で作られていたカットグラスのことです。1851 年に薩摩藩藩主となった島津斉彬(なりあきら)が興した事業の一つとして手掛けられた薩摩切子は、あの篤姫も江戸へ嫁ぐ時には嫁入り道具として持参したほど。しかしその後、薩英戦争での工場の砲撃被害、明治維新の動乱の影響を受けると、明治10(1877年)年頃には途絶えてしまったと伝えられています。

それから約100年の時を経て、株式会社島津興業 薩摩ガラス工芸(以下 島津興業)の手により見事に薩摩切子の復元がなされました。ちなみに、イベントタイトルにもある「島津紫」は、2005年に同社によって作られた新色です。島津藩とゆかりのある島津興業で製造された薩摩切子は「島津薩摩切子」と呼ばれ、薩摩切子のなかでも一級品として鹿児島県でも認知されています。

薩摩切子は、透明なガラスの上に色ガラスを被せてカットを施すと、色と透明の二層のガラスによる濃淡が生まれます。この「ぼかし」と呼ばれる技法が薩摩切子の最大の特徴なのです。イベントでは紅・金赤・藍・緑・黄・島津紫の6色の島津薩摩切子が用意されました。「ぼかし」によって生まれる深い色味は光に照らされると宝石のような煌めきを放ち、まずは美しい外見で参加者を大いに喜ばせました。

目で薩摩切子を楽しんだ後は、実際に芋焼酎を注いでみます。一般的なロックグラスで飲む場合と味わいの違いを飲み比べてみました。

一般的なグラスに比べて、薩摩切子は手に取るとガラスの厚みと重量感、カッティングによる触り心地の良さが手の中に伝わってきます。また、かぼちゃの「面取り」のように、飲み口にも鋭角が丸く削り取られる細やかな配慮がなされています。参加者からは、「口当たりがやわらかい」「口当たりが滑らかでふんわりと甘い感じがする」と飲み比べに対する反応が返ってきました。

見た目の芸術性だけでなく高い実用性も兼ね備えた薩摩切子は、普段私たちが感じる以上に芋焼酎の美味しさを、五感を通じて届けてくれるのです。

鹿児島の芋焼酎ブーム到来の予感!?

この日のイベントでは、大口酒造株式会社・有限会社白石酒造・杉本酒造合資会社の3名の蔵元がゲストとして参加しました。生産者から製造方法や原料へのこだわりや銘柄誕生の背景を直接聞き、同時にモニターとしての意見を生産者に届けられる貴重な機会となりました。

薩摩切子でいただく鹿児島の芋焼酎には、ゲスト3蔵元の銘柄を含めた8種類の選りすぐりの銘柄が。芋焼酎の魅力のひとつは何といってもその「香り」ですが、一方で独特な香りは“クセ”と取られ芋焼酎が敬遠されやすい原因であったりもします。

しかし、用意された一本一本の香りの違いを楽しむうちに「もっとクセがあっていい」「クセがあると思ったけどファンになった」と芋焼酎初心者や普段飲まない方からも嬉しい声が。

また、大口酒造株式会社 寺原氏から、芋焼酎の飲みやすい方法として炭酸水で割る飲み方が提案されました。「(香りの)存在感は失わないが飲みやすい」というその飲み方には、確かにお湯割りやロックにはない、香りを爽やかに楽しむ芋焼酎の新しい魅力が。その後も会場では一本ずつ飲み進めるごとに、前者と香り以外のキレや味といった特徴を比較する酒談義に花が咲きました。

近頃は日本酒が若い世代でも見直され、外国でもちょっとしたブームになっていますが、芋焼酎だってその魅力は全く負けていません。むしろ香りや味覚のバリエーションには他の酒にはない面白みがあると感じるほど。そんな鹿児島の本格焼酎、ぜひとも鹿児島の伝統工芸品である美しい酒器「薩摩切子」でスタイリッシュに味わってほしいですね。

【取材者コメント】
イベントで個人的に一番印象的だったのが、有限会社白石酒造 白石氏が手掛けた芋焼酎「天狗櫻」と蔵がある鹿児島県いちき串木野市のさつま揚げとの組み合わせ。さつま揚げも鹿児島県の地域によって味の違いがあるのを知ったこと自体が新鮮でしたが、いちき串木野市のさつま揚げは甘みが強く、さっぱりと辛みのある「天狗櫻」との相性は最高。(もちろん味わった芋焼酎はどれも絶品で料理の味を引き立てるものばかり)
思わず鹿児島への旅心をそそられる素晴らしい出会いでした。

【取材・文】 ryoji yamauchi
【撮影・編集】yukiko(焼酎スタイリスト&ファッションスタイリスト/色彩総合プロデュース「スタイル プロモーション」)
【企画協力】色彩総合プロデュース「スタイル プロモーション」、鹿児島芋焼酎コミュニティクラブ


「色と食の旅プロジェクト」~島津紫の煌めき~イベントセミナー
Presented by STYLE promotion

開催:2014年8月23日(土)
会場: 芋焼酎BAR SAKURAJIMA

【協賛】鹿児島空港ビルディング株式会社
【後援】株式会社島津興業 薩摩ガラス工芸、鹿児島県酒造組合、鹿児島県酒造青年会、公益社団法人 鹿児島県観光連盟、公益社団法人 鹿児島県特産品協会

【イベントプロデュース】yukiko(ユキコ/焼酎スタイリスト、ファッションスタイリスト)
【主催】色彩総合プロデュース「スタイル プロモーション」、「色と食の旅プロジェクト」
※テーマ「島津紫」は株式会社島津興業 了承のもと使用しております。

ryoji yamauchi
イベント記事担当ライター。色彩総合プロデュース「スタイル プロモーション」が運営する「色と食の旅プロジェクト」「かごしま芋焼酎コミュニティイベント」の取材執筆をきっかけに本格焼酎に興味を持つ。スポーツ記事も執筆するなど、マルチな活動を行う。「焼酎&泡盛スタイル」では、焼酎スタイリスト&ファッションスタイリストyukikoとともに、主にイベント記事を執筆。

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